新郎さん、結婚式に「本物のモーニング」を着てみませんか?
今でこそ様々な形があるため一概には言えないが、結婚式はカジュアルパーティーではなく、教会や神社など厳粛な場で行われることから分かるようにフォーマルな「儀式」である。
「礼装のモーニングは父親の服装」と思われがちだが、新郎も「おしゃれな衣装」ではなく、父親と同格の「フォーマルな礼装」を着るのが当然なのだ。
以前、レンタル衣装屋の新郎向けの説明を見つけた時に、このような説明を見た記憶が今も鮮明に残っている。
「タキシードは夜の礼装ですが、今では日中の結婚式においてタキシードを着用するのは全く問題ありません」
どうして「全く問題ない」と断言できたのか、理解に苦しむ。
タキシードすなわちディナージャケットは、「ディナーの時に着るジャケット」なのだから、夜の披露宴ならまだしも、昼間のフォーマルな儀式で着るということはあってはならないのだ。
これは19世紀から脈々と続くルールで、誰かが突然変えられるものではない。
極端な例え方をすれば、
「出勤時のスーツ」を就寝時に着て、「就寝時のパジャマ」を出勤時に着て行く
というようなことなのだ。
ここまで言ってもまだ伝わらないのであればもう私は諦め、次に進む。
また、同じホームページ内での次の説明も思わず鼻で笑ってしまった。
「現代では、正礼装のモーニングはお父様が着られるもので、新郎が正礼装のモーニングを着用するのは少し格式が高すぎます」
つまり、結婚式の主役の1人である新郎には、付き添いの父親よりも格下の格好がふさわしい、とでも言いたいのだろうか。
全くおかしな話である。
「正礼装が新郎には格式が高すぎる」ということのなら、結婚式において新郎のモーニングドレスと同格の正礼装とされるウェディングドレスを花嫁が着るのも格式が高すぎるため、やめておいたほうが良いらしく、もう少し控えめで目立たない服装を用意する必要があるようだ。
少し意地が悪い言い方をしてしまったが、本当にこれくらい馬鹿げたことがまかり通ってしまっているのだ。
神前結婚式ではモーニングドレスと同格の正礼装である紋付羽織袴や白無垢が着れている。
そこでは、父親はモーニングドレス、母親は黒の留袖というように、新郎新婦の紋付羽織袴や白無垢と同格の正礼装が着られている。
これは、教会や格式あるホテルでの結婚式でも同じであるはずなのだが、洋装のルールは販売側の知識不足も大きいために、簡単にルールが破られている。
「花婿はカジュアルな衣装、花嫁はウェディングドレス」というのは、
女性は「綺麗なワンピースにハイヒールやパンプス」なのに、男性は「カジュアルシャツにジーンズに運動靴やキャンバスシューズ」で、おしゃれな高級レストランに食事に行くこととなんら変わらない。
「衣装」を着たいのならば、式の後の披露宴に取っておきたい。
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